日本体育協会公認のスポーツデンティストであり、これまで長きにわたりスポーツを歯科から研究・サポートし続けている都尾教授。全国の大学でも他に類を見ない「健康スポーツ科学科」と「歯学科」を併設する朝日大学だからこそ指導できる、口腔とスポーツパフォーマンスとの関係性、そして学生に将来目指して欲しい未来像とは?
朝日大学歯学部教授/岐阜県スポーツ健康づくり歯学協議会学 術顧問/日本スポーツ歯科学会評議員/日本スポーツ歯科学会認定医・指導医
私がセミナー開講時に講義しているのは、重心バランス、つまり噛み合わせが身体のバランスに影響して、そのバランスによってスポーツパフォーマンスが上がったり下がったりするということです。身体の重心動揺が小さくなったら、相手を見定めることができ、非常に有利になりますよね。例えばアーチェリーの場合、的に当てるときに身体が揺れない分だけ正確に打つことができるだろうと言われています。噛み合わせは、スポーツにおいてとても大切なのです。
マウスガードには二つの効果があると考えています。一つは、怪我の防止。ラグビーやホッケー、柔道といったコンタクトスポーツでは歯の破折や顎の骨折などの外傷頻度が高く、それらを予防する装置としての役割ですね。もう一つは、マウスガードを装着することで怪我に対する精神的な不安を取り除けるので、思い切りプレーできるということ。さらにはぐっと噛むことで脳から出された刺激が首や背中の筋肉にまで流れ身体を支えるため、結果、怪我の防止へと繋がるのです。
噛むことによるスポーツパフォーマンスの向上のみならず、高齢者の運動能力低下を防止する研究も進めています。これらが学べるのは、歯学科、特にスポーツの専門家を擁する朝日大学だからこそ。将来は口腔からスポーツを捉え、育成していける指導者を目指して欲しいですね。
動物の声や物音を真似た「擬音語」と、動作や様子を表す「擬態語」からなるオノマトペをスポーツに活用し、研究を続けている藤野教授。トップアスリートのみならず、次世代での活躍が期待される乳幼児の教育現場でもそのコーチング理論が浸透し始めているなかで、これからのスポーツとの関わり、そして朝日大学での学びとは?
朝日大学保健医療学部健康スポーツ科学科教授 スポーツやビジネス、日常生活などで使われるオノマトペの使用実態と効果について長年研究を重ね、その普及に努めている。テレビ番組への出演や講演活動なども多数。
例えば力を入れるとき、「ふにゃ」では力が入りませんが「ぐっ」だと力が入りますよね。頭で考えるのではなく、からだにダイレクトに伝えるのがオノマトペです。スポーツで使われるオノマトペは、情報伝達の円滑化のほかに、主にパワーアップやスピードアップといった身体的側面、そしてモチベーションアップやリラックスといった精神的側面の双方での効用が期待できます。運動と音韻を動きにぴったりと合わせシンクロさせることで、本来持っている力がフルに発揮されるのです。
オノマトペは非常に複合的な要素から成り立っているので、まずは音韻が持つイメージの効果とその共通性から教えていきます。言語学、音声情報学、音声言語学、生理学、脳科学の知識も必要となってくるでしょう。段階的に実践したり体験したりしながらさまざまな考察をし、最終的にはオノマトペの知識を総動員して、競技で使う技をコーチングできるまでに育成したいと考えています。
朝日大学のゼミは少人数制を採用しています。高度な知識を持った専門家からダイレクトに学べるということが最大の特徴です。また、クラブの監督と教員が密接に連携しており、就職活動においても一丸となってフォローする体制が整っていることも強みではないでしょうか。